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【名古屋の相続シェルパ:在日韓国人の相続手続き 〜相続財産分割協議〜】

在日韓国人(日本に住んでいる韓国国籍の方)が亡くなった場合の相続手続き

◇適用される法律は韓国の法律?それとも日本の法律?

日本在住の韓国国籍者が日本で死亡した場合に、日本にある財産については、どのような法律に従って相続手続きがなされるのでしょうか?

このような、どこの国の法律が適用されるかという問題(国際的私法関係についていずれの国の法を準拠法として適用すべきかを指定する法則)を「国際私法」といいます。

日本においては、明治時代より「法例(明治三十一年法律第十号)」という法律(名前が法律っぽくないですが法律です)がありましたが、平成18年に全面改正され「法の適用に関する通則法」という法律が誕生しました。

 

この通則法第36条に、たった一文だけですが、『相続は、被相続人の本国法による。』と定められています。本国法とは、住居地ではなく(⇔住居地法)、国籍のある国の法律のことを指しますので、まずは「韓国の国際私法」を確認する必要があります。

 

※財産の種類(不動産または動産)に応じて準拠法を分ける場合を相続分割主義といい、イギリスが代表例です。日本のように財産の種類に応じて準拠法を分けない場合を相続統一主義といいます。

※国籍が2つ以上ある場合や、無国籍の場合にどこの法律を準拠法とするかについては、通則法第38条に規定されていますが、ここでは省略させて頂きます(在日韓国人・在日朝鮮人に係るご相続の相談事例と比べてとても相談が少ないです)。

 

◇韓国の「国際私法」では相続の準拠法はどう定められているの?

結論から申し上げますと、韓国の国際私法でも、相続については、日本国と同じように『相続は、被相続人の本国法による。』と定めらています。

つまり、日本の「法の適用に関する通則法」の規定とも一致し、問題なく韓国民法を適用することができますね。

 

なお、余談になってしまいますが、国によっては、国際私法にて「相続は、被相続人の居住地法による。」と定められているケースもあるため、その場合は、投げたボールが、また日本へ戻ってくる状態となります。これをやや難しいですが、「反致(はんち)」と言います。

この反致が生じた場合は、再度日本法である「法の適用に関する通則法」を確認します。すると、第41条に次の条文があることが確認できます。

 

第41条  当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。

     (※但し書き省略)

 

ここまで確認してようやく日本国法に従い、手続きを進めることができるのです。

 

◇韓国民法における相続人の範囲及び順位について

相続人の範囲及び順位

日本国法とは少し異なり、次の順位で相続されます(2015年9月16日現在)。

 

第1順位 被相続人の直系卑属  + 配偶者

第2順位 被相続人の直系尊属  + 配偶者

第3順位 被相続人の兄弟姉妹       ※配偶者及び先順位者がいない場合のみ

第4順位 被相続人の4親等内の傍系血族  ※配偶者及び先順位者がいない場合のみ

 

日本国とは違い、兄弟がいたとしても配偶者だけが単独で相続できる点は、とても興味深いですね(日本法では、兄弟姉妹と配偶者は同順位になります)。

※相続人がいない場合など、より複雑なケースはここでは省略致します。個別にご相談ください。

 

相続人の法定相続分について

日本で定められている相続分と、韓国民法で定められている相続分についても少し異なってきます。配偶者が優遇されている点では共通ですね。

 

【日本民法】

第1順位 配偶者:子     = 1:1 ※同順位間では等分(嫡出の差異は違憲撤廃済み)

第2順位 配偶者:直系尊属  = 2:1 ※同順位間では等分

第3順位 配偶者:兄弟姉妹  = 3:1 ※半血兄弟姉妹のみ差異あり

 

【韓国民法】

第1順位 配偶者の法定相続分は直系卑属の5割増し

第2順位 配偶者の法定相続分は直系尊属の5割増し

第3順位 配偶者がいる場合は相続権なし(配偶者が100%)

第4順位 同上

 

◇相続人はわかったけど、その後の相続手続きはどうすればいいの?

日本では「遺産分割協議」、韓国では「相続財産分割協議」

世界史から紐解くとよくわかるようですが、日本法と韓国法は非常によく似ております(日本統治下だったわけですからそりゃそうですね)。相続手続きの進め方も、細部に多少の違いはあれ、①遺言による相続方法、②相続人全員で話し合う方法、③裁判所で決めてもらう方法の3パターンが定めらています。①の遺言は日本でもレアなケースですし、③の裁判所で行うケースは裁判所におまかせすればよいので、もっとも多いのは「相続人全員での話し合い」を行う方法です。

 

日本民法では、これを「遺産分割協議」といいますが、韓国民法では「相続財産分割協議」と言うようです(ハングルがわからないので、本当にそう訳すべきかについては判断がつきませんが…)。この「相続財産分割協議」については、韓国民法が根拠ですので、ハングルで作成すべきという考えもございますが、相続人自身が日本で生まれ育っている場合だとハングルで作成しても理解ができなかったり、そもそも日本の金融機関でもそのままでは受け付けてくれないこともあるため、はじめから日本語にて作成してもよいでしょう。もちろん、手続き先となる金融機関に都度確認すればベストです(日本語で作ってしまえば、翻訳は簡単にできますので、難しい問題ではありません。当事務所でも翻訳の取り次ぎを行っております)。

 

なお、「相続人全員の参加」が必須ですので、日本民法での相続手続きと同様に、被相続人の相続関係を明らかにするために、「出生から死亡までの一連の戸籍」が必要になることがイメージできるのではないでしょうか。

 

◇在日韓国人に相続手続きに必要な戸籍等は?

韓国に戸籍制度はある?相続関係の証明はどうすればいいの?

かつては日本と同じように戸籍制度がございましたが、2008年1月1日より、従来の戸籍法(韓国)が廃止され、新しい家族関係登録制度がスタートしています。どのように変更したかについては在日韓国領事館等のホームページにて確認できるためここでは省略させて頂きますが、相続関係の証明には、現行制度における次の書面が必要となります。

 

【在日韓国人の相続関係に証明に必要な書類(一例)】

☐ 韓国国籍の被相続人に関する5種類の証明書

 (家族関係証明書・基本証明書・婚姻関係証明書・入養関係証明書・親養子入養関係証明書

☐ 韓国国籍の被相続人に関する住民票の除票(※これは日本の居住地の市民課窓口で入手可) 

☐ 韓国国籍の被相続人の出生時からの記載のあるすべての除籍謄本(〜2007年以前)

☐ 韓国籍の相続人の基本証明書及び家族関係証明書並びに住民票(+印鑑証明書)

☐ 日本国籍(帰化)の相続人についての戸籍抄本及び住民票(+印鑑証明書)

☐ 韓国国籍の被相続人に関する閉鎖された外国人登録原票の写し

 (→この書類については相続手続きによっては不要になるケースがありますので、要注意)

 

 

◇戸籍等公的書類を取り寄せるには、どこにいけばいい?

日本国における韓国総領事館については、大阪・福岡・横浜・名古屋・札幌・仙台・新潟・広島・神戸の9か所に拠点がありますが、戸籍等の交付業務を行っているのは【東京・大阪・福岡】の3拠点のみ(2015年9月16日現在)です。但し、郵送申請することができますので、現地まで出向く必要はございません。また、当行政書士事務所で代理申請も行っております。

(※所定の委任状にご署名・ご捺印頂くことが必要になります)

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